「マンションの汚れが目立つんで、リフォームしてから売却したい」
「壁紙が黄ばんでるから、壁だけ張り替えた方がいいのでは……?」
こういった「マンション売却時に、部分的にでもリフォームを取り入れた方がいいのでは?」という方は、現在でも少なくありません。
本記事では「原則、マンション売却にリフォームは必要ない」をテーマに、その理由を具体例を用いて解説します。また「リフォーム以外で、売却に有利に働く打ち手」もご紹介するので、是非参考にしてください。
マンション売却のリフォームが原則必要ない理由
動画内でもお話ししているとおり、原則どれだけ室内設備が古く、床・壁が傷んでいたとしても「リフォームはせずに、ありのままの金額で売却する」が鉄則です。
理由はシンプルで「リフォーム分の費用を回収できる保障がなく、結果的に損をするリスクがある」ためです。
具体例を挙げて見ていきましょう。
築年数や間取りなど、全く同じ条件の物件「A」「B」「C」があるとします。
物件A |
子どものいる夫婦が10年間、ふつうに住まれた物件。日常生活でつくような、一般的な汚れやキズが見られる。 |
物件B |
猫を3匹飼っているご夫婦。壁やフローリングの1部が猫の爪痕でボロボロなので、部分的に100万円でリフォームすることを検討。 |
物件C |
子ども連れのご夫婦、15年ほど生活した物件。子どもさんが遊んだ傷や、キッチン周りの壁のシミがかなり目立ち、全体的にキレイとは言いづらい印象。 |
このうち「一般的な使用感」である物件Aは、適正な相場価格である2,000万円で
「100万円をかけてキレイな状態」にした物件Bは、リフォーム代を上乗せした2,100万円で、
「最も劣化が酷い」物件Cは、相場より100万円ほど安い1,900万円で売り出すとすれば、3つのうち最も売却リスクが大きくなるのは、どの物件でしょうか?
正解は、リフォームに100万円をかけた物件Bが、最も「売却に手間取る・思った通りの価格で売れない」可能性が大きいです。
リフォーム代を100万円上乗せするなら、何もせず100万円安く売ってほしい
「売却前のリフォーム」に関する買い手の心理として、以下のようなものが挙げられます。
・どうせ購入後にフルリフォームするため、壁紙や床のキレイさはあまり関係ない
・自分の好みにリフォームをするため、中途半端に手を加えないでほしい
・1円でも安く仕入れてリノベーションしたいので、古い・汚い状態でいいから安く売ってほしい
このように「リフォームをしてからマンションを売却する」行為は、売り手・買い手双方にとって、あまりメリットがないことがわかります。
先述した「物件B」の事例であれば、相場より100万円ほど高く市場に出したことで、買い手から敬遠される可能性もあるでしょう。結果的に「2,100万円では問い合わせがこないので、価格を下げるしかない」という結論になり、リフォーム代100万円分の元を回収できず損をしてしまう可能性もあるというわけです。
リフォームせずに、マンションの売却・内覧を有利に進める2つの方法
先述のとおり「売却のためにマンションをリフォームする」ことは、投資費用が回収できないリスクがあるという点でオススメできません。
しかし中には「このまま売却するには、あまりに部屋が汚すぎるのでは?」と不安な方もいらっしゃるでしょう。そんな方が知っておきたい、リフォーム以外の対策2つをご紹介します。
1.ハウスクリーニングを依頼する
「ハウスクリーニング」は清掃のプロに代金を払うことで、自宅を掃除してもらえるサービスです。個人の掃除では対処が難しい水回りの頑固なカビや汚れ・フローリングのベタベタ等も、業者が専用の道具や薬剤を用いてキレイに落とします。
壁・床を張り替えるわけではないためキレイのレベルに限界はあるものの、リフォームより格段に費用を抑えて、手軽に部屋の見栄えを改善できます。価格帯は業者や依頼する面積・場所にもよりますが、おおよそ5~10万円程度で見ておけば問題ないでしょう。
【当社でハウスクリーニングを勧めた、お客様の例】
大阪市東成区の3LDKマンションに、20年住まれていた50代のご夫婦。旦那さん・奥さんともにタバコがお好き・かつペットを飼っていらっしゃったこともあり、内装的にかなりの経年劣化が進んでいらっしゃいました。本来、真っ白だった壁紙はセピア色になり、フローリングも油汚れでベタベタの状態に。
基本的には「何もせずに売りましょう」と提案する弊社ですが、このときばかりは内覧にきたお客様からの印象があまりにも良くなさそうというリスクを感じ「全室、ハウスクリーニングをしましょう」とご提案しました。約60平米の面積で、ハウスクリーニングの料金は8万円程度だったと記憶しています。
ハウスクリーニングを入れたことで部屋の匂いや汚れ・黄ばみがかなり改善され、最終的には無事、目標期間内にマンションを売却できました。
2.可能な限り「空き家」に近づける
マンション売却の広告で写真を見たときでも、実際に内覧へ訪れたときであっても、買い手からすれば「家に物が0の状態」が、最も好印象なのは間違いありません。
物が溢れている=生活感があることは、どうしても物件購入においてマイナスに働いてしまうためです。
【空き家に近づけるため、売主が取り組みたい行動例】
- 転居先に持っていく物以外は、売り出すタイミングで全て処分する
- 広告掲載用に部屋の写真を撮る際は、物をすべて別の部屋へ移動させる
- 内覧時はなるべく物を収納スペースへ片付け、物が無い状態にする
すでに転居先がある場合を除き「完全な空き家にする」ことは現実的ではありませんが、少しでも買い手側の購入意欲が高まるよう、空き家に近づける努力が売主には求められます。
まとめ
いかがでしたか。今回の記事でお伝えした、マンション売却時に気を付けたいリフォームのポイントは、以下の通りです。
- 原則、マンションはリフォームせずに売る。
- 汚い・古い場合も、その状態に応じた市場価格で売る。
- あまりに劣化のひどい場合は、ハウスクリーニングを検討する。
- 内覧や写真撮影時は、自身で不用品処分・掃除・荷物の片付けを積極的に行う。
もしアナタがこれからマンションの売却を検討しており「リフォームするかどうか」を悩まれていたとすれば、ぜひ本記事を参考にリフォーム以外の手段をご検討ください。また「どうしても今の状態で売りたくない」とお悩みなら、自身で手を加える前に、信頼できる不動産業者へ相談しましょう。
弊社『売る仲介』では、100%売主の味方に立って、マンションの売却をお手伝いします。マンションを高く売りたい・早く売りたい・確実に売りたい方は、当社「売る仲介」までお気軽にお問い合わせください!
⇒ 売る仲介の担当者に「LINE」で相談してみる。
【売る仲介のYouTube動画はコチラ】
コメント