マンション売却のタイミングに悩む方は少なくありません。
・ライフスタイルの変化で売却したい
・なるべく高く売れるタイミングで売りたい
など、売却の時期に悩む理由は人それぞれでしょう。
本記事では「マンションを売るタイミング」というテーマで
・2021年現在は、マンション売却のタイミングとして適しているのか?
・築年数における、マンション売却の最適なタイミングとは?
・マンションを売るタイミングを判断するために、知っておきたいポイント
といった内容について、不動産会社の視点からご紹介します。
マンションの売却時期として、2021年現在は絶好のタイミング
マンション売却において、ずばり2021年は絶好のタイミングといっても過言ではありません。
2021年5月31日時点の「国土交通省」のデータによれば、マンションの売却価格は土地や戸建てといった不動産商品に比べ、2013年の4月頃から現在まで、常に高騰し続けていることがわかります。
引用元:国土交通省 不動産価格指数 令和3年5月31日 令和3年2月・第4四半期分
2021年現在、マンションの売却価格が高騰している理由としては「需要に対する、マンションの供給量が少ない」ことが挙げられます。コロナ前後でマンションを購入したい人の総数はあまり変動していないのに対し、市場に出回るマンションの物件数が大幅に減っていることが価格高騰の要因です。
【2021年現在、マンションを売却するメリット】
- 市場にライバルが少ないため、物件が短期で売れやすい
- 市場全体の相場価格が上がっているため、高値で売れる可能性がある
現在「マンションを売ろうかな……」と悩んでいる方は、ぜひ2021年のタイミングでマンション売却を検討してみてはいかがでしょうか。
マンションを高く売るなら、築浅(10年未満)がおすすめ
「築年数」が浅ければ浅いほど、マンションの売却では有利に働きます。マンションの価格帯は築年数に比例して大きく変動するため「マンションをなるべく高く売りたい」のであれば、1年でも築浅のタイミングで売るのが良いでしょう。
(出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2021年01~03月】)
上記グラフは国土交通大臣指定の「不動産流通機構」が算出した、2021年1月~3月にかけての、首都圏中古マンションの築年数別の売却価格を表したものです。
築5年未満の平均価格が5,951万円であるのに対し、築10~15年で4,856万円、築20~25年で3,674万円ほどと、築年数の経過とともに価格がガクンと下がっているのがわかります。
ちなみに不動産業界で長年働いている私の見解からすると、可能であればマンションは「築10年未満」で売るのが望ましいと感じます。理由としては、多くの人が無意識に「物件として新しいか・古いか」を「建設から10年未満か・10年以上か」で判断しているためです。
<築年数10年未満・以上で与える印象の違い>
「A. 築11年のマンション」と「B. 築13年のマンション」
■ 買い手の心理 → ABのマンションの年数に、そこまで差を感じない。
「C. 築9年のマンション」と「D. 築11年のマンション」
■買い手の心理 → Cは比較的新しい、Dは比較的古いと感じてしまう。
買い手が「物件の新しい・古い」を判断するおおよその目安は、SUUMOの物件検索の選択肢などからも把握できます。
引用元:SUUMO│大阪府のエリアから探す中古マンションの購入情報探し
築浅の時期であれば3年、5年、7年、10年といった区切りで印象が変わり、10年を過ぎると15年以上、20年以上といったざっくりとした区切りで築年数を別けていることがわかります。
売却を検討した際は「マンションの築年数と価格帯の関係」も念頭に置き、可能な限り迅速に売る・売らないの判断と行動を起こしたいところです。
ボロ物件は、リノベーションした方が売れやすいのか?
築年数が20年、30年と経った物件は新築に比べ売りづらいもの。よく「古い物件は中をリノベーションし、キレイな状態にしてからのほうが売れやすいですか?」という質問がありますが、答えはNOです。
もちろん見映えが良いように部屋を掃除したり、物を片付けたりといった工夫は大切ですが「お金をかけてリノベーションし、古い物件を高く確実に売ろう」といった判断は誤りです。
例えば、築30年で2LDK、価格1,200万円の中古マンションがあったとしましょう。
- 300万円をかけてリノベーションし、1,500万円で販売する
- そのまま1,200万円で販売する
上記であれば、②のほうが売れやすいということです。なぜなら仮にリノベーションを検討する場合、買い手としては同額を払うなら、自分の好みの造りに改良したいと考えるためです。
築年数が経っているとしても、まずはそのままの状態で売りに出してみることをおすすめします。
住み替えを検討する場合、マンション売却の最適なタイミングとは?
今の住まいを売却し新居へと引っ越しする「住み替え」において、マンションを売るタイミングを悩む方は多いのでは?
「住み替えにおける、マンション売却の適切なタイミング」ですが、これは買い先行なのか売り先行なのかによって時期が異なります。買い先行とは次に住む物件を購入してからマンションを売却するパターン、売り先行とはマンションを売却してから次の物件を探すパターンとなります。
買い先行・売り先行それぞれの売却タイミングについては、以下の記事にまとめてあるため、ぜひ参考にしてみてください。
「マンション買い替えの手順!始め方や売買の流れ、よくある失敗例を解説」
結局マンションはいつ売ればいい?不動産会社視点のアドバイス3つ
ここまで目を通して「マンションを売るタイミングの判断がつかない」「決断が難しい」という方に向けて、不動産会社の視点から3つのアドバイスをお伝えします。
1.「絶対に売りたい」と思ったときに売る
長い間マンションの売却に携わっていて感じることですが、絶対にマンションを売らなければならないという状況の方ほど、マンションの売却に成功しやすいといった傾向が見られます。
- 新居購入の資金にあてるため
- 離婚して今の住まいを離れるため
- まとまった資金が必要になったため
と売却理由は人それぞれですが「確実に売却するための柔軟な発想」ができる(せざるを得ない)が故に、売却のチャンスを見逃さず適切な対応を取ることができます。
【うまくいく人の事例】
築20年の中古マンションを1,500万円で売りに出したところ、1ヶ月間売れなかった。確実に売却するため価格を1,350万円に設定し直したところ、すぐに買い手が見つかり無事に売却が成立した。
逆に「売っても売らなくても良い」状況の場合、人はどうしても「理想の金額以下では売りたくない」という発想に陥りがちです。
【うまくいかない人の事例】
1,200万円相場のマンションを1,600万円で売りに出したところ「1,400万円なら購入したいです」という買い手が現れた。しかし「1,400万円なら売らなくてもいいや」という発想に陥り、売却チャンスを逃してしまった。
マンション売却には買い手のニーズに即して柔軟に価格を下げたり、市場感にあった価格に設定し直したりといった対応が、非常に重要となります。
2.売却の期限を設ける
予め売却の期限を決めてしまう方法も、マンションを確実に売る方法として有効な手段です。締め切りのある状態で勝負することで「まずはこの価格で出してみよう」「いつまでに売れなかったら、次はこのくらいに価格を下げてみよう」など、戦略的に打ち手を考えることができます。
【うまくいく人の例】
築10年の中古マンションを、3ヶ月後までに売却したい。
あらかじめ「まずは2,100万円で市場に出してみて、1ヶ月反応がなければ2,000万円、さらに1ヶ月反応がなければ1,900万円に下げよう」と計画をたて、市場相場や買い手の反応を見ながら、臨機応変に価格を変えてみる。
「離婚」「転居」「住み替え」など確実に期限が決まっている場合は問題ありませんが、中には明確な売却期日が無いという方もいるでしょう。その場合は自身で「いつまでに売却する」といった目標日を設定し、売却に向けての行動計画を立てて実行するのがおすすめです。
3.売却期間が短すぎるのはNG
少しでもマンションを高く売りたいのであれば、売却期間は少し余裕を持って長めに取ると良いでしょう。あなたがマンションを売りに出した際、仮に3ヶ月待っていれば売れていたという物件が、売却期間が2週間しか無いばかりに売れなかったというケースは少なくありません。
売却期間を長く設けることで
- 長く市場に出せるので、より多くの人の目に止まる
- 売れない場合、いろいろな施策を試せる
- 納得いく金額で購入してくれる人を、待つことができる
といったメリットが期待できます。
とくに「売却の期限が決まっている」という場合は、売り出しの期間が短くなりすぎないよう注意しましょう。
まとめ
今回は「マンション売却のタイミングについて」というテーマで
- 2021年はマンション売却に向いているのか
- マンション売却に適した築年数
- マンション売却時に知っておきたいポイント
などについてお話しました。
「高く売れるタイミングで売却する」という視点ももちろん正解ですが、最も大切なのはあなたのライフスタイルの変化や状況に即して、売るべきタイミングでマンションを売却することです。その時々に応じて、打てる最善の手を打つことを考えましょう。
また個人で考えるのが難しい「マンション売却」に関する行動・資金計画の立案は、信頼できる不動産会社への相談がおすすめです。
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