マンションの住み替えで失敗してしまうのは、スムーズな住み替えが難しいという事実を理解していないことが主な原因です。
実際、「住んでいるマンションを売却に出せばすぐに売れるだろう」と考えている人は多いのではないでしょうか
マンションの売却や新しい住居の購入は様々な人が関係し、関係者の希望が一致してはじめて売買が成立します。また、タイミングよく買い手がマンションを見つけてくれるかなども重要になってきます。
このようなことを意識せずに住み替えをしようとした結果、「住んでいるマンションがなかなか売却できない」、「期間に余裕がなくて等処理も安い値段になってしまった」、「新居の購入を逃してしまった」という事態になることは珍しくありません。
そこでこの記事では、初めて住み替えをする人がよくしてしまう失敗パターンを紹介します。そして、そのパターンから考えられる失敗しないための方法を解説します。
記事を読むことで、後悔しないマンション住み替え方法を知ることができるので、ぜひ参考にしてください。
マンションを住み替えたい人が陥りがちな失敗
マンションの住み替えの失敗は、大きく分けて売却の失敗と、購入の失敗に分かれます。
マンションから住み替える際の「売却」でよくある失敗パターン5選
マンションを住み替える場合、マンションの売却と新居の購入の2つを同時に行う必要があります。
この2つをスムーズにこなして、今のマンションを希望価格で売ったり、タイミングよく新居を買ったりすることは思っている以上に難しいです。
まずは住み替えのため、今住んでいるマンションを売りたい人が失敗してしまうケースを紹介します。
- すぐに売れると思っていたマンションがなかなか売れない
- マンションを売りに出すタイミングが悪く、希望価格で売れない
- 売却期間を十分に取れず買い手が現れない
- 売却するマンションの宣伝や広告が少なくて、売れない
- 担当している不動産会社の対応が良くない
1.すぐに売れると思っていたマンションがなかなか売れない
「マンションを売りに出したら、すぐに買ってくれる人が見つかるはず」
このように考える人はとても多いです。
しかし実際のところ、住み替えではいろんな条件が重なったときにしかマンションは売れません。
マンションの売却には「マンションを売りたい人」、「売却を担当する不動産会社」、「売りに出されたマンションを買いたい人」の3者がいて、全員が得をしたいと考えます。
たとえば、
- 売りたい人は、できるだけ高く売りたい
- 買いたい人は、できるだけ安くいいところを買いたい
- 不動産会社は、契約をとって利益を最大化したい
この3者の利害が一致しないと、全体のバランスが崩れて話が流れてしまうのです。
実際に、自分のマンションより条件が良いマンションが現れるだけで、買い手がそちらに流れてしまい、契約がなくなってしまうことはよくあります。
マンション売却ではそこに関わる人の望みが一致しないと売れない、ということを頭に入れておいてください。
2.マンションを売りに出すタイミングが悪く、希望価格で売れない
自分がマンションを売りに出した後、「より良い条件で同マンションの一室が売りに出される」、「周辺で良い物件が出る」ということが起きると、自分のマンションがなかなか売れないという事態に陥ります。
想像してみてください。
あなたがマンションを探していて、同じマンション内で同じ金額、同じ間取で上の階の物件が出ていたらどちらを選びますか?
当然ですが、買い手としてはより良い上の階のマンションを買いたいと思うはずです。
同じマンションだけでなく、周辺にも同じようなマンションがあれば買い手は必ず内覧して比較します。その際、自分のマンションより良い物件であればそちらを選びます。
自分のマンションが売れない原因として、価格が高いということも考えられますが、単にタイミングが悪かっただけということも考えられます。
しかし実際には、タイミングが良くないことが分からず、希望価格で売ることを諦めて価格を安くして買い手に売ったり、不動産会社に買い取りをお願いしたりしてしまうのです。
3.売却期間を十分に取れず買い手が現れない
マンションの売却期間が長ければ長いほど、より多くの人の目に触れるので買い手が見つかりやすくなります。反対に期間が短いと自分のマンションを見つけてくれる可能性が低くなり、売れにくくなります。
売却期間が十分とれないときに、このような状態に陥ってしまうことが多いです。
少しでも高い価格で売りたい場合、より多くの人に自分のマンションを知ってもらえるように売却期間を十分に取ることが大切です。
4.売却するマンションの宣伝や広告が少なくて、売れない
マンションを探している人に、自分のマンションを見つけてもらうためには、どれだけ自分のマンションを広告・宣伝しているかが鍵となります。
しっかりと広告を作るなどして宣伝をして、買い手に自分のマンションを見てもらえないと問い合わせや内見の申し込みは入りません。
広告を減らすと買い手の目に付きにくくなり、その結果、売れにくくなるということを理解しておきましょう。
あとで詳しく解説しますが、基本的に広告は不動産会社が行うので、ここでは広告をしっかりと打つことが大切であることを理解しておいてください。
5.担当している不動産会社の対応が良くない
売却するマンションの広告や物件情報を掲載するシステムへの登録、申し込み者の対応などは基本的に担当する不動産会社が行うことになります。
その不動産会社の対応が誠実でなく、「広告の量が少ない」、「質が良くない」、「内覧の申し込みがあってもその情報を隠す」などがあると、買い手が見つからずマンションが売れません。
不動産会社の中には、内覧の申し込みなどがある事実を隠して、利益を多くしようとする会社もあります。このような業者と契約してしまうと、自分にとって不利な状況が起きるのです。
そのため売却をお願いする不動産会社を選びは慎重に行いましょう。
新しい住居の「購入」に関するありがちな失敗パターン2選
続いて新しい物件の購入でよくある失敗を紹介します。
- 住宅ローンの負担が増える
- 引っ越し先の住居の設備不良や近隣トラブル
1.住宅ローンの負担が増える
マンション売却に関わってくることでもありますが、売却価格が安く次の新居の購入のための費用を十分に捻出することができず、次の住宅ローンの負担が増えることがあります。
原因は上記で紹介した、マンション売却にかける期間がないことなどが原因で、もともと住んでいたマンションが思った価格で売れなかったことなどです。
売却金を当てにしていたものの、希望価格で売れないと住宅ローンが増えてしまいます。
住み替えには引っ越し費用などもかかってきますので、住宅ローンの負担を増やしたく無い人は資金計画や売却のスケジュールをきちんと立てる必要があります。
2.引っ越し先の住居の設備不良や近隣トラブル
住み替えとはいえ、新しい住宅の確認不足で設備が機能しないことや、近隣とのトラブルが起きることもあります。
内覧や引っ越した後に設備の確認を怠ると、思っていたことと違うことが起きるのです。また引っ越し先が今の住居と異なる地域の場合には、想像していなかったトラブルが発生することも考えられます。
設備や周辺環境は事前にきちんと確認するようにしましょう。
マンションが希望価格で売れず失敗してしまった事例
続いて実際にあったマンション売却の失敗事例を2つ紹介します。
自分のマンションより条件の良いマンションが低価格で売りに出された
Aさんは今のマンションより住み替えようと思い、住んでいるマンションを売却に出しました。
売却に出した物件は10階建てのマンションの8階です。このときの売却価格は相場と同じ1,500万円。Aさんはすぐに売れると考えていました。しかし売却を開始してから内覧する人は来ますが、成約に至りません。
その後3週間して、最上階の10階の一室が1,300万円で売りに出されました。自分のマンションより高層階にも関わらず、200万円低い価格だったのです。この場合、当然、買い手としては条件の良い最上階で安い物件を選びます。
Aさんは最上階の一室が売れるのを待ちきれず、1,200万円で今のマンションを不動産会社に買い取りに出してしまいました。
内覧で部屋がキレイになっておらず成約につながらない
Bさんは住み替えのためにマンション売却を決意。
仮住まいになってもいいからということで、売り先行(今のマンションを先に売って、後から新居を購入する流れ)で住み替えを進めることにしました。同じマンション内で売りに出されている物件よりも少し低い価格で売却を開始。
ところが、2ヶ月経過して内覧に訪れる人はいても、一向に売れそうにありません。同じマンション内の物件は売れているのに、自分の物件だけ売れませんでした。
内覧者は自分のマンションを見ると、難しい顔をして帰っていきます。よくよく不動産会社の担当者に話を聞いてみると、内覧に来た皆さんは部屋があまりキレイでなく、状態が良くなかったことを気にしていたようです。
Bさんは生活しながら売却をしており、買い手は自分が住むときのイメージができず、購入まで至りませんでした。結局、Bさんは今のマンション売却するまでに5ヶ月かかり、気になっていた新居を購入するタイミングを逃してしまいました。
マンションの住み替えで失敗しないためにできる5つの方法
紹介してきたようにマンションの住み替えには、失敗してしまう要因がたくさん潜んでいます。
そのためマンションから新居にスムーズに住み替えるためには、難しさをきちんと理解して、スケジュールや資金計画を立てる必要があります。
ここからは、住み替えで失敗しないためにできる方法を5つ紹介します。
- 住み替えの流れを把握してスケジュールを組む
- マンションの売却期間を長くして待てる時間を確保する
- 売却しているマンションの広告・宣伝の量を増やす
- 広告の量・質ともに確保してくれる不動産会社に依頼する
- 新居選びは設備や現地を念入りに確認
住み替えの流れを把握してスケジュールを組む
マンションから新居に「住み替える」場合、下記の画像のように今のマンション売却と新しい住居の購入を同時に進める必要があります。
<理想的な住み替えの流れ>
この流れをうまく行わないと、気になっている家を先に別の人購入されたり、仮住まいをしたりすることになるのです。
基本的に資金に余裕が無い限り、住み替えをする人は今のマンションを先に売却する「売り先行」で手続きを進めることになります。
物件の購入は最初に契約を結んだ人しかできないので、気になっている家がある場合、できるだけ早く今のマンションを売って、すぐに契約をする必要があります。
また仮住まいをできるだけ避けたい気持ちもあるはずです。仮住まいを避けようとすると、今のマンションの引き渡しを終えるまでに、次の物件に入居しなければなりません。
自分が希望する時期に住み替えができるよう、スケジュールには余裕をもって動くようにしましょう。
マンションの売却期間を長くして待てる時間を確保する
次の物件候補が見つかっていて住み替えを考えている場合、なるべく早く不動産会社に相談することをおすすめします。そして売却期間をできるだけ長く取りましょう。
なぜなら、売却期間が長いほど多くの買い手に目にしてもらえる可能性が高くなるからです。
3ヶ月目では購入希望者が現れなかったのに、5ヶ月経ったら希望価格で購入されたということは珍しくありません。これは単に、周辺で良い条件のマンションが販売されていたから売れにくくなっている、また買い手の目に触れていなかったということもあります。
そのためできるだけ売却期間を取るようにしましょう。
売却しているマンションの広告・宣伝の量を増やす
先にも説明した通り、マンションを売るためには多くの買い手の目に止まることが大切です。ですので、マンションの広告は可能な限り量を確保してください。
広告の量を増やすことで、そもそも人の目に触れる回数が増えます。
そして次の章で解説しますが、広告は不動産会社に行ってもらうことになります。
不動産会社を選ぶ際は広告をたくさん打ってくれるところを選びましょう。
たとえばSUUMOといった不動産サイトなど、いくつもの媒体で同じ物件の広告を出すほうが買い手が目にする機会が多くなります。
不動産会社の担当者によっては、「たくさん広告を出していると、売り急いでいるかと思われてしまいます」と伝えられることがあるかもしれません。もちろん自分が売り急いでいると、交渉の際に足元を見られてしまうことも無くはありません。
しかしそのマンションを欲しいと考えている人は、広告量などあまり気にしません。そのため、広告の量が十分であることを確認するようにしてください。
広告の量・質ともに確保してくれる不動産会社に依頼する
マンションを売却する場合、依頼する不動産会社や担当者が誠実に対応してくれているかどうかは非常に重要です。インターネット広告やチラシ、レインズへの登録は基本的に不動産会社にお願いすることになります。
その会社や担当者がまったく動いてくれない、または広告を出しているものの「写真が全く魅力的でない」、「住宅の説明文が読みにくい」という状況になると、売れる物件でも内覧すら来ないことがあります。
そのため広告の質・量ともにしっかり確保してくれる不動産会社に依頼しましょう。
不動産会社を選ぶ際は、
- 広告をどれくらい行ってくれるのか契約内容や過去事例
- 良い点ばかりでなく、悪い点なども正直に話してくれるかどうか
- 担当者の経験年数や実績
などを確認してみてください。
その他にも、担当者が宅建(宅地建物取引士)の資格を持っているかどうかは、担当者の知識レベルを判断するためにも有効です。
新居選びは設備や現地を念入りに確認する
住み替えする場合、住居の購入経験がある人がほとんどですが、それでも新しい物件の設備や周辺環境は念入りに確認しましょう。
- 内覧時に設備で気になる点を確認して売主に聞く
- 物件引き渡し後、すぐに設備を利用してみる
- 時間帯や曜日を変えて現地を何度か訪問する
新居の購入を後悔しないために、これらのことを行うようにしましょう。
上記で解説したことを実践すれば、希望価格で売れる可能性が高くなり、次の物件で組むローンの負担が増えるのを避けることができます。
住み替えを失敗しないためにも、しっかり準備をするようにしてください。
まとめ
以上、マンションの住み替えで失敗してしまうケースや実際の事例、失敗しないための方法を紹介しました。
住み替えについてはポイントを押さえることで失敗を避けることができます。後悔しないためにも抑えるべき点を理解して、行動しましょう。
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