「自分のマンションは、人気マンションの条件にピッタリ合っている!もしかして、オークションで売りに出せば早く、そしてかなり高く売れるのでは?」
このように、期待をしている人は多いです。しかし端的に言って、(種類を問わず)不動産はオークションで売却することに適した商品ではないです。
相場把握がしやすいマンションであればなおさらで、初心者がオークションでマンションを売却しようとしても、失敗する可能性が非常に高いと思われます。
今回は、なぜ不動産(特にマンション)をオークションで売却するべきでないのか、不動産業界を長年見てきた経験から述べていきます!
オークションでの売却に向いた不動産は、「よすぎて値段を決めるのが難しい不動産」のみ
10年ほど前よりもめっきり少なくなったものの、不動産オークションをサービスで提供している企業は、あるにはあります。現実的に、個人でマンションをオークションに出品することが不可能というわけではありません。
それでも普通のマンションをオークションで売るべきでないのは、不動産売却でオークションを活用する理由が、”よすぎて誰も値段を決められない不動産に値を付ける”ためだからです。
「そんなすごい不動産ある?」と思うかもしれませんね。例えば思いつくのは、梅田阪急丸ごと売る(と仮定する)場合です。
あの立地・広さの不動産であれば、国内外の様々な企業が欲しがるはずで、不動産業者の価値観で値を付けることは、極めて難しいです。他には、5,000坪の邸宅など規格外の広さの不動産も、付け値しようがないと思います。
こうした、どうしても売値を付けられないケースでのみ、オークションは売主・買主ともにメリットがあります。
逆に言うと、そうでない普通の不動産ではオークションをする理由がほとんどないです。
これは、不動産に限らない問題ですね。美術品・骨董品の多くは、稀少すぎて値段のつけようがない(比較・検討のしようがない)からこそオークションにかけられて、値段が決まります。
《POINT》「競売」と「オークション」は別物!
債務者が住宅ローンの支払いを滞納した結果、金融機関が裁判所に申し立てを行って、不動産をオークション形式で売却して債務を回収する手段を「競売」と言います。
この記事でお話している、売主が自分の意思で不動産を出品する「通常の不動産オークション」とは全く別物なので、混同しないようにしましょう!
不動産をオークションで売却するデメリット
- 買主は慎重なので、基本相場よりは高く売れない
- オークション売買成立後の、トラブル対応が面倒
不動産をオークションで売却することをオススメできない理由は、大きく分けて上記の2つです。以下で、解説していきます。
【1】買主は慎重なので、基本相場よりは高く売れない
不動産をオークションで売ることに興味が湧く多くの人は、“出品したらどんどん札(ふだ)が入って、売却価格が競りあがっていくイメージ“を持たれています。
しかし実際はそうではなく、どちらかというと入札ゼロのリスクのほうが高いです。
不動産は、通常1,000万単位の買い物。趣味のアイテムをオークションで買うのとは、明らかに桁違いなので、買主はかなり慎重になります。
特にマンションは、売却相場を読みやすい不動産です。相場3,000万円と分かっているマンションが、3,500万円、4,000万円、4,500万円……とオークションで値段が上がっていくのかというと、そんなことはありません。
相場3,000万円のマンションなら、オークションでも3,000万円くらいでしか売れません。売主以上に、買主の売却相場リサーチは入念であると思ったほうがよいでしょう。
また買主は、オークションに出ている不動産に対して、「本当にこの不動産は大丈夫なのか?」「ワケあり物件なんじゃないか?」という不安も持っています。
「不動産の専門家のお墨つきがほしい!」という買主のためになるのは、実際に不動産業者などを入れて不動産を査定してもらうことですが、そこまでするのであればその結果を『REINS(不動産のネットワーク)』に載せて、普通に売却するほうが高く(というより、適正価格で)売れやすいように思います。
【2】オークション売買成立後の、トラブル対応が面倒
不動産をオークションで売却した人からよく聞く失敗談として、「売買成立後のトラブル対応が大変だった」というのがあります。
オークションでのやりとりは、個人間売買に近いです。不動産仲介業者を通していないので、引き渡し後しばらくしてトラブルがあった時の連絡・クレームが、ほとんど売主にきます。
無茶なことを言う買主も、残念ながらいます。そうした人の対応に困って、「オークションで売るのではなく、不動産仲介に頼んで対応を任せられるほうがよかった」と後悔している人が、少なくないようです。
“高く・早く・公平な不動産売却”なら、不動産仲介業者でもできる
- 不動産を早く売却できる
- 不動産を高く売却できる
- 不動産を公平に売却できる
これらは、不動産をオークションで売却することのメリットとして、よく挙げられる点です。
しかしこれらは、オークション唯一のメリットではなく、不動産業者選びと売却戦略の立て方次第で、普通に仲介業者を通す売り方でも実行できることです。
不動産を高く・早く売ることについて
不動産仲介業者で不動産を高く売るコツは、売却相場を自分できちんと把握して、相場範囲内での高価格に設定することです。先述したように、特にマンションの場合は、相場を逸脱した値段で決まることは、ほとんどありません。
相場範囲内で価格を決めることは、不動産をなるべく早く売ることにも繋がります。
ただしこればっかりはどうしても運で、チャレンジ価格で1週間で買主が見つかることもあれば、値段を下げても半年見つからないケースもあります。
「どんなによい不動産であっても、売却に3ヵ月くらいかかるのは普通」と、想定しておくべきでしょう。
不動産を公平に売ることについて
「不動産業者は囲い込みをする」というイメージから(確かに、未だそういう売り方をする業者はあるようです)、「すべての人が見れるオークションのほうが公平さがある」と考える人もいます。
しかし不動産を公平に売るのは簡単で、不動産を公平に売ってくれる不動産仲介業者に依頼をすればいいのです。
囲い込みをする不動産仲介業者は、広告を制限して不動産を独占しようとします(買主が見つからないことは、承知のうえ)。
逆に、「広告可(全国の他の不動産業者が買主を探せる)」を基本戦略とする不動産仲介業者に依頼すれば、情報は独占されず、公平に売ることができます。
当社『売る仲介』も広告制限をせずに、広く情報を拡散することを基本戦略とする不動産仲介業者です。
《詳しくはコチラ》
まとめ
以上、「不動産をオークションで売ることって、実際どうなのか?」というお話でした。
よほど特別な条件があって、大富豪や企業が値段を気にせず買うような不動産でない限り、オークションで不動産を売ることにはほとんどメリットがありません。
オークションで得られるというメリットも、オークションに固有のものではないので、初めて不動産を売却する人は、普通に売却するほうが安心でしょう。
当社『売る仲介』は、マンションを早く・高く売る不動産会社です。持っているマンションのことでお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。
また、LINEでは24時間ご相談も受付中! ぜひ、LINE公式アカウントをお友だちに追加してご相談ください。
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