「あなたのマンション、売却してください!」という文言のチラシを、自宅ポストで目にした経験のある方は多いでしょう。
今回の記事では
- マンション売却のチラシは信用できるのか?
- なぜ不動産業者は、チラシでマンション売却を勧めてくるのか?
- 悪徳な売却チラシに騙されないために、意識したいポイント
などをご紹介いたします。もしあなたがチラシ先への電話・マンション売却を検討しているのであれば、まずは本記事に最後まで目を通していただけますと幸いです。
マンションの「売却を求む」チラシの内容を、鵜吞みにしてはいけない
もしアナタがマンションへお住まいであれば「アナタのお部屋、売ってください!」のチラシを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
※イメージ画像
実際「あのチラシはどういった意図で巻かれているのか」や「本当にチラシで謳っているような、うまい話があるのか」といったご質問を、弊社にご質問くださる方も多いです。
動画でもお話ししていますが、マンションの売却チラシは、基本的に不動産業者が「儲けたい」という心理から配布するものですので、情報の「信憑性」はかなり低いと捉えていただくのが賢明です。
ちなみにマンション売買に関して投函されるチラシには、大きく分けて「売り求むチラシ」と「買い求むチラシ」の2種類があります。
- 「売り求む」チラシ…「あなたのマンション、高値で売れます」「2組、売却待ちの方がいます」など、マンションの売却を勧めてくる内容のチラシ。
- 「買い求む」チラシ…「あなたのマンションの702号室、5,000万円で買いませんか?」と、同マンション内の別部屋の購入を勧める内容のチラシ。配布理由としては、親や子どもを同じマンション内に住まわせたいというニーズが、一定数あるため。
【2021年8月時点】「マンション売却チラシ」に見られる、良しとされない風潮
以前までは不動産業者の間でのごく当たり前とされていた「マンションの売却チラシ」ですが、近年では「チラシをポストへ無断で投函すること」そのものへの、世間の風当たりが強く見られます。
家買ったばっかりなのに早速不動産売却のチラシ投函されてて草も生えない pic.twitter.com/sJrmF6ZAb0
— こげセン@ねずみと料理 (@kogesennrats) June 25, 2016
家買って4年目なのに売却のチラシが来る pic.twitter.com/fwE4dZXprp
— 酒豪くん🐟🥕🔯🍠🍃♎️🍸🏖🌸🍑🐤🔥🐟🌸📦🍣🧸💫🦊🪕 (@nkmt_v) September 26, 2020
マンションによっては管理人24時間常駐しており、チラシの投函を取り締まっているケースも増えてきました。また下手にチラシを投函すると、SNSやネット上でチラシの不法投棄を告発されてしまい、逆に大きな印象ダウンに繋がるリスクもあります。
上記の背景から、不動産業界ではチラシ配布という文化そのものが、今後廃れていく傾向にあるように思います。
マンション売却チラシを巻く「不動産業者の意図」とは?
「あなたのマンション、買い取ります」
「売却物件、大募集!」
などの売却を促すチラシは、どういった意図で作成されポストに投函されるのでしょう。
不動産業者が考えがちな「悪い意図」について見ていきましょう。
1.「自分で調べない」「情報に疎い」お客さんを集めたい
不動産業界に限ったことではありませんが、売却力の弱い営業マンが最もターゲットにしたい層は「その業界の情報に疎く、自分(営業マン)の話をすべて信用してくれるお客さん」です。
言い方はよくありませんが、デジタル化が進みスマートフォン1つで「マンションの売却情報」を調べられるこの時代、チラシを信用して問い合わせをしてこられるのは
- 自ら「自分のマンションの売値相場」や「不動産会社の信憑性」を調べない、情報に受け身の方
- 「耳障りの良い言葉」や「ウマイ話」を、すぐ信じてしまう方
- ネットなどを触らない、ご年配の方
といった方々です。
こういった情報収集に疎く、人の言葉を信用しやすい層を効率的に集めるため「チラシを撒く」といった、悪い発想の営業マンは一定数存在します。
2.売却で発生する仲介手数料がほしい
マンションを売却するとなれば「売り手」「買い手」の間に、仲介者として不動産会社が入るケースが一般的です。
多くの不動産チラシの目的は、このマンション売買の契約が決まった際に発生する「仲介手数料」を目的とするケース。営業マンの手元には、仲介料として売却額の数パーセントの賃金が残ります。(両手取引であれば、売り手からだけでなく買い手からの手数料も入ります)。
仮に5,000万円のマンション売却を手伝ったとすれば、営業マン的には仲介手数料により200万円~400万円ほどの売り上げが見込めます。
マンション売却の「仲介手数料」については、以下の記事でも詳細にまとめています。
【関連記事】「マンションの売却にかかる費用 | 安く済ませるカギは『仲介手数料』」
3.人気物件なら、端から「買取目的」の場合も
「築浅」「駅チカ」など比較的人気のマンションであれば「自社で安く買い取って高く販売したい」という、買取を目的とするケースもあります。
「あなたのマンション購入を希望する方がいます」などと架空の購入希望者をチラシで謳い、問い合わせてきた売り主を丸めこんで、相場より大幅に安い価格で買い取りを提案するという方法です。
【よくある事例】
相場1500万円のマンションを所有する、一人暮らしのB子さん(70歳)。「アナタの部屋を売ってほしいという方がいます、今なら相場より高く売れますよ」というチラシを見て業者へ問い合わせしたところ、営業マンに「アナタの物件はすごく人気があるので、当社で1000万円で買い取らせていただきますよ!」と提案され、まんまと契約を結んでしまった。
B子さんは喜んでしまったが、実際は相場より500万円も安い価格で、マンションを手放してしまった。
上記はあくまで「よくある例」として挙げた架空のエピソードですが、こういった悪徳な営業手法は、実際少なくありません。
「マンション売却」のチラシに騙されない、3つの着眼点
不動産業者のチラシに騙されないために、日頃から押さえていただきたい「3つの着眼点」をご紹介します。
1.「売り求む」チラシの情報は、基本的に全て信用すべきでない
【このマンション限定で探しているお客様】
— 0メートル (@0metre) April 3, 2019
ポスティングされたチラシでは「ご夫婦で2LDK限定60㎡程度予算5,000万」など内容が具体的なのだが、担当者に詳しく話を聞くといつの間にか消えている空想上の生き物。その姿を見るには売却価格を下げるほかない。
#不動産大技林
マンションの売却を促してくる「売り求むチラシ」の内容は、基本的に売り手の売却意欲を搔き立てるために作られた、架空の内容であると思って対処しましょう。
- お客様の住むエリアの入居希望者が、只今2名おられます。
- 購入後、リフォームを検討されており、部屋の内装状況にこだわりはありません。
- あなたの部屋を5,000万円で購入されたい、ご夫婦がいらっしゃいます。
といった一見、魅力的に映る謳い文句には要注意です。
2.「マンション売却」は、チラシ経由で申し込まない
もしアナタが本気で「マンションを売りたい」と考えるなら、チラシ経由ではなく信頼のできる不動産業者をきちんと厳選して依頼しましょう。
売却における実績や信頼できる不動産業者であるかは、ネットや口コミ・ホームページをチェックすることで、ある程度まで把握することが可能です。
また不動産業者が「売り手・買い手」の両方を1社で受け持つ「両手取引」より、売主だけの味方となる「片手取引」の会社へ依頼した方が、マンションがスムーズに・かつ高く売れる可能性は高くなるでしょう。
3. 相場価格や市場観を、自分でもネットで調べてみる
チラシ経由での問い合わせは基本的におすすめしませんが、仮に連絡をする場合は自身で事前調査を行ってからにしましょう。
予め自分がマンションの売却相場や需要と供給のバランスを把握しておけば、営業マンに騙される心配はありません。これはチラシに限らず、マンション売却を思い立ったら、誰でも必ず行いたい習慣です。
自分である程度の相場価格を調べる方法は、以下の記事にてまとめています。
【関連記事】マンションの売却相場を自分で調べる方法 | 成功者はどこまで相場を知っている?
まとめ
今回は「マンション売却のチラシを撒く、不動産業者の心理」というテーマで、その裏側に潜む業者側の考え方や、そもそもチラシに騙されないための考え方などをお伝えしました。
「マンション売却したい」と考え始めたのであれば、ポスティングされた怪しいチラシではなく、手間を惜しまずに不動産会社を自分で探しましょう。最初から1社に絞らず、2~3社に相談をもちかけ、誠実そうな業者を厳選する方法もおすすめです。
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