株式会社グラウンドが展開する『売る仲介』は、マンションを高く売るサービスです。
ただし名前だけでは、
- どういうところが他社と違うのか?
- 具体的にどのようにマンション売却を成立させているのか?
- 売主から見た『売る仲介』のメリットは何なのか?
…など、分からないことも多いと思います。
そこで今回は、まだ世に新しい『売る仲介』の仕組みを、より多くの人に知っていただくために、株式会社グラウンドの代表取締役・鈴木宏治氏に行ったインタビューの内容を、特別に公開!
インタビューの後半では、多くのお客様にご覧いただいている、YouTubeチャンネル『売る仲介チャンネル』についてもお話しています。
『売る仲介』は「マンションを高く売る」ためのサービス
ーー『売る仲介』をひとことで言うと、どんなサービスなんですか?
「マンションを高く売るサービス」です。
もちろん「高く・早く」売却するが理想なんですけど、どちらかと言ったら「高く」売却するに重きを置いているサービスです。
ーー『売る仲介』というサービスのアイデアは、どのようにして生まれたのでしょう?
もともとは、私が友人の家を売ることになったんです。
「友達なのでできるだけ高く売ってあげたい」っていう気持ちがあって、「どうやったら高く売れるかな?」と真剣に考えたことが、『売る仲介』の今の売却の仕組みに繋がっています。
よく考えたら、「少しでも高く売りたい」という売主さんは、どこの不動産会社が買主さんを見つけてくるのかは、そんなに大事ではないないかもと思ったんです。両手取引、片手取引の話です。
「売主からしたらマンションを高く買ってくれる人と出会うためなら、何も自分の会社だけで探さなくても(= 両手仲介でなくても)、他の不動産会社総出で買主を探してもらうほうが絶対に高く売れるはずというあたりまえの気付きが、今の『売る仲介』のサービス展開に繋がっています。
『売る仲介』最大の強みは、「取引の透明性」
ーー『売る仲介』の1番の強みは何でしょうか?
すべての情報を開示しているという、安心感だと思います。
例えば、専任媒介契約だったら、売却のことを1社にすべて委ねることになります。
1社に委ねているがゆえに、途中で「自分の家が囲いこみをされていないか?」なども、心配することがあるかもしれない。
実際には、囲い込みをされているかどうかをチェックする方法はあるんですけど、「信じて売却をお願いした不動産会社に自分のマンションが囲い込まれているかも?」なんて、考えながら生活したくないじゃないですか。
だから『売る仲介』では、売却の進捗を見える化して、取引の透明性を確保することにしました。
ーーそうなんですね。“取引の透明性”とは、具体的にどんなことをいうのでしょうか?
売る仲介では、お客様のやり取りは基本的にLINEなどの、文字として形に残るもので行います。売却がスタートしてからの、売主への売却進捗報告では文字での報告に加えて、動画でも報告しています。どちらにせよ、形に残る報告をしています。
文字など形に残っていれば、「言った」「言わない」のトラブルにもなりにくいですよね。
また、他の不動産会社から資料の請求や内見希望の問い合わせがあったら、売主さんにリアルタイムで通知されるようにシステム化されています。
ーー「不動産会社があえて情報を黙っているんじゃないか?」とか、「報告を怠ってるんじゃないか?」という、心配がないわけですね。
そうです。
当社が受け取る情報をリアルタイムで加工せずにそのまま共有しています。
『売る仲介』と他の不動産会社での売却のちがいは?
ーー『売る仲介』と、他の不動産会社での売却のちがいは何ですか?
100%売主の味方になって売却の戦略を組み立てるところです。
両手仲介をしないため、売却戦略において買主の利益は一切考慮しません。
ーーただただ「普通のサービスをパワーをかけてやっている」といった印象ですね。
他の不動産会社さんで、「高く・早く売ります!」とか、「うちは“仕組み”がすごいです!」というアピールって、よく見るのですが、その実なにか特別な仕組みがあるわけじゃないんですよね。
例えば、『SUUMO』の掲載枠をたくさん買っているか、チラシをたくさん撒くとか、そんな感じなんです。
『売る仲介』は、当社自身が営業にパワーをかけるのではなく、まず『レインズ(※1)』に正確に情報を載せることが第一です。それから、実際に買主を見つける不動産会社が営業しやすいよう、物件情報・写真など豊富な素材を提供します。
それから、売り出す物件には“内覧会”を設定して、物件が競い合って購入される状況を作っていることも、他ではなかなかないことだと思っています。
※1 『レインズ』とは
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのこと。要は、不動産会社が物件情報を確認するために見るページで、『レインズ』に早く・正確に情報を掲載することは、物件の早期売却・高値売却に繋がります。
ーー画期的な内覧会の仕組みについては、前川さん(※2)のブログで「いいな」と感じた覚えがあります。あらためて、内覧会をやることのメリットをお教えいただいてもいいですか?
※2 『売る仲介』を提供する株式会社グラウンドの広報担当者様。ブログはコチラ。
「マンションを競り合う状況を意図的に作り出して、マンションを早く・高く売れるようにできる」というのが、内覧会の1番のメリットだと思います。
今までは、買主を見つけた不動産業者から、「明日内覧行けますか?」とか「土曜日行けますか?」とか依頼があるのを基本断らずに、物件の鍵を開けに行ってたんです。
でもこの都度の対応だと実は、成約する確率がかなり低くて。
買主さんは、この物件に他にどれだけ内覧希望が入っているのか分からないまま来るから、「いつでも買える」と思って、決断を保留してしまうことが多いんです。
そこで『売る仲介』では、内覧を“内覧会”という形式で、行うことにしました。
いつでも内覧に対応するのではなく、「○月△日しか見れません」と全不動産会社に情報公開します。仮に5組の内覧希望があるならば、「あなたたちを入れて5組がきますよ」と伝える。
物件を内見する買主さんは、「今日ほかに4組がくるんだ」「この物件人気なんだ」「気に入ったのにモタモタしてたら他の人たちに取られるかも」と考えます。
ーーなるほどです。「いつ内覧がくるか分からないから準備・掃除が大変」といった、売主の負担も解消される、いいアイデアだと思います。この“内覧会”のアイデアは、どうやって生まれたものなんでしょう?
実は内覧会のアイデアは、偶然の産物です(笑)。
3年くらい前に神戸市北区のマンションの売却依頼をいただきました。その際、他不動産会社から内覧希望のたび、大阪から鍵を開けに行くのも対応できなさそうだし、物件の近くに鍵を預けられそうな、信頼できる不動産会社があるわけでもなかった。
そこで、あらかじめ日時を設定して「この日しか見れませんよ!」という状況にしてみたんです。
まだコロナ禍の前で、希望があった4組を同じ時間に、お部屋に来ていただき内見いただきました。
それぞれが他の内見者の会話、たとえば「現金で購入する場合…」「今購入したら引渡しは…」といった会話が聞こえる状況なので、今にも買いそうな感じがするんですよね。
そしたら、その日のうちに4組のうち2組から申込みが入って、内覧会から3日で現金購入のお客様に売却が決まったんです。
まさか1回目の内覧会で、売却が決まるとは思わなくて。
室田と、「もしかして高く売却するにはこの方法がベストなのでは?」と相談し、他の物件でも内覧会形式をとることになりました。
--コロナ禍から、内覧会のやり方に変化はありますか?
密になることを避けて、今は時間予約制になっています。居住中・空き家を問わず、30分刻みで1組ずつ、お呼びしています。
同じ日に何組の予約が入っているのかは、『LINE』の予約フォームで、自分が時間を選ぶ時に目に入るので把握できます。
コロナ禍でも、マンションが競い合われる状況は変わりません。
相場内で一番高く売りたい人に、『売る仲介』を特にオススメできる
ーー特にどんな人に、『売る仲介』というサービスをオススメすることができますか?
『売る仲介』の仕組みに関するページ』を見たり説明を受けたりして、その意味がきちんと分かる人ですね。ITに理解があるというか、賢いというか。
そして、「相場のなかで1番高く売りたいな」と考えている人です。
「相場の中で一番高く」というのがのポイントです。
例えば、「5,000万円~5,200万円が相場ですね」という話をした時に、「5,200万円で売りたい」と思う人に、売る仲介が向いていると思います。
5,000万円-5,200万円が相場のマンションを5,680万円など相場から飛び抜けて高い金額で、マンションを売りに出すこと自体はもちろん不可能ではないですが、『売る仲介』の仕組みが存分に発揮されないのでお手伝いするのは難しいかもしれません。
最近はYouTubeを観てからお問い合わせいただくことが多いので、このあたりを理解されている人が増えた気がします。
それでもまだ、仕組みを理解いただけない人や、相場よりも飛び抜けた高額で売却スタートしたい人など、「うちではお手伝いできないかも」「うまくいかないかも」と思うお客さんのご依頼は、お断りすることもあります。
ーーなるほど、そうなんですね。
『売る仲介』がマンションを高く売るための工夫
ーーここ最近のマンション売却について、高く売るために工夫していることや、力を入れていることはありますか?
最近は、『レインズ』に物件情報を登録してから、1回目の内覧会までの期間を2~3週間くらい時間を取っています。
内覧会までの間は、全国の不動産会社が物件情報を見ることができますし、資料のダウンロードもできます。しかし内見はできない、という状況です。どの不動産会社さんもお待ちいただかないといけません。
そうして2~3週間、内見希望者を募り続けると、5~6組は希望者が集まることが多いです。
ーーどうして、内覧会までの日数を長くして、複数の内見者を待つのですか?
先ほどお話したように、内見者が多く集まり競争率が目に見える物件は、高値で売れやすい・1回目の内覧会で決まりやすいという傾向があります。
例えば、2,580万円で売却スタートしたマンションが、価格交渉なし・そのまま2,580万円で売れたり。あとは、同じ日に申込書が2枚届いた(内覧会に参加した別の2組から申込みがあった)ことがあります。
高く売ることにフォーカスして、そのために準備する。この方法を採用するようになってから、直近の4件の売却依頼はすべて、価格交渉なしの満額で成約しています。
ーーそれはすごい! 他にはどうでしょう?
あとは最近やってる試みでいくと、お客さんが物件の相場が分からなくて、当社が査定をする際に、査定の様子を動画で撮っています。30~40分くらいの動画です。
そして、実際に会ってお話をする前に、LINEでその動画を共有します。
動画の中では、査定額の根拠もお話しています。ただ査定金額を伝えるだけよりは、納得度が上がるし、言った・言わないのトラブルにもならないですよね。
一括査定サービスを介さず問い合わせがある不動産会社を目指す
ーー売る仲介さんは、YouTubeで『売る仲介チャンネル』というチャンネルを運営されています。視聴者からの質問や近況の報告が主な内容で、最近は登録者数も増えてきました。このYouTubeチャンネル設立のきっかけを教えてください。
先に、『ゼロ仲介チャンネル』という、新築一戸建てを買う人向けのチャンネルがあるんです。
新築一戸建て購入についてのチャンネルに、なぜかマンションの売却に関する質問がたくさん来るようになりました。
いただく質問に回答するのはもちろんいいんですけど、『ゼロ仲介チャンネル』は新築一戸建てを購入する人が見る動画なので、視聴者がぜんぜんちがう。
で、YouTubeを検索してみたところ、マンションの売却について話しているチャンネルが、あまりないことに気づきました。
そこで「『ゼロ仲介』から物件の売却に関する情報を切り離して、新しいチャンネルを開設してもやっていけるんじゃないか」と思ったんです。それが、今の『売る仲介チャンネル』です。
ーー『売る仲介』チャンネルの運営は、事業的にはどんな狙いがあるんでしょう?
一括査定サービスや紹介以外で、実際に売却の問い合わせをいただいている不動産仲介会社は少なくて。
自分たちが、一括査定サービスからじゃなくても売却の依頼をいただける不動産仲介会社になってみたかったんです。
ーー実際に『売る仲介チャンネル』の運営を始めた手応えはありますか?
初投稿から1年くらいは特に何もない、無風状態。ほとんど何も起こりませんでした。
でもコロナ禍から1年くらいで、動画のストックが増えたことも関係したのか、視聴回数も多くなってきました。
『ゼロ仲介チャンネル』経由のファンの方だけでなく、実際にマンションをを売却したい人に動画が届いていればいいなと思います。
ーー売る仲介チャンネルを始めて「よかったなぁ」と感じることはありますか?
問い合わせていただく人ほとんどYouTubeを観て『売る仲介』のサービスを予習してくれてます。
「ぜんぶ観ました!」とか言われると、シンプルに「続けててよかったな」と思います(笑)。
ちなみに、近況報告の動画の人気があるんです。
「今日は○○のマンションが売れました」というような、動画なんですけど。
「依頼をいただいた」「売却が始まった」「売れた」とか、具体的なマンション名を出して進捗状況を話すんですが、問い合わせをしてくれ本人さんから、「動画に登場できて嬉しい」と反応をもらうことがあります。
動画を観て「この人たちはウソをつかなそうだと思った」「東京のマンションも売ってくれるんだ」と、感じてくれることが大事な気がしています。
ーーでは逆に、チャンネルを始めて「苦労するな…」と思うことはありますか?
愛想がないので、「嫌われてるかも…」って悩むこともあります。
時々コメントでも、「えらそう」と言われて凹みます(笑)。
ーー繊細な一面が垣間見えました(笑)。
逆に言うと、そういうのをまるっと飲み込んで問い合わせをいただけるので、実際にお会いした時に初対面なのに本当のことを喋れるというのはあります。
「高すぎるでしょ!」とか「騙されてますよ!」とか、ブログの文字だけで見るとすごく冷たく感じますけど、YouTubeで話すと、そこまで冷たい印象にはならないみたいです。
『売る仲介』の今の課題点と、これからの目標とは?
ーー『売る仲介』の現状の課題点はありますか?
「内容が複雑でわかりにくいことをやっているな」という自覚があります(笑)。ほとんどの方がマンションの売却自体人生初の中で、わからないことがわからないはずなので。一般的な売却についても知らない方が多い中、両手仲介をしない、っていうさらにマイナーなことをやってるため、最初の説明に苦労する時はあります。
例えば、「うちは両手仲介をしていません」と言っても、「そもそも両手仲介(※3)って何?」と思う人が多いと思いますし。
とはいえ、私が不動産仲介を始めた10年前に比べると、格段に売主の知識は増えています。
※3 「両手仲介」とは
1社の不動産会社が、売主と買主の双方の仲介を行い、その両方から仲介手数料を受け取ることをいいます。「え!?」と思うかもしれませんが、両手仲介は不動産仲介会社の利益を最大化するので、多くの会社がこの方法をとります。いっぽう、『売る仲介』は「片手仲介」で、完全に売主の味方でマンションの売却を行います。
ーーでは、『売る仲介』の今後の目標はありますか?
売る仲介というサービスを有名にしたいです。
今の段階で、『売る仲介』はたくさんの物件を売ることができる仕組みとして、できあがっています。
ですから、もっと売却の依頼が入っても(キャパシティー的に)大丈夫なんですよね。
ーーなるほど。Twitterでブログや記事をバズらせたり、雑誌やWEBメディアなどに取り上げてもらったりと、色々方法がありそうですよね。
ーー本日は、お話ありがとうございました!
まとめ
【まとめ】『売る仲介』とは?
- マンションを“高く”売ることにフォーカスしたサービス
- 取引の透明性や、独自の内見方式に強み
- 仕組みに理解がある人や、相場内で一番高く売りたい人にオススメ
- サービスの知名度を上げ、もっと依頼を増やすことが目標!
以上、『売る仲介』がどんなサービスなのか、代表の鈴木さんにたくさんのお話を伺いました。
これまでに、お客様からいただいた声で嬉しかったのは、「この仕組みで売ってみたかった!」というお声だと、鈴木社長は語ります。
今後もITの拡大は続くでしょう。『売る仲介』のシステムが、不動産仲介のモデルケースとなり、上記のようなお声がもっと増えればいいなと思いました!